2024/01/13

Bくんとの出会い その8

 12.「先生、Bくんがびしょびしょです!」

 梅雨時のある日の朝のこと。

 私は、いつも教室で子どもたちを迎えるようにしていますが、ある子が血相を変えて私に報告をしてきました。

「先生、Bくんがびしょびしょです!」──一体、何が起こったのか、全く分かりませんでした。

「校庭を見てください。」

 その言葉にうながされて2階の窓から見ると──Bが雨の中、傘もささずに走り回っているのです。

 雨が降ったのがよほどうれしかったのでしょう。心地よかったのでしょう。

 環境の変化に敏感なBらしい。濡れることなどお構いなしです。

 他の子はBを取り囲むようにして、その様子を見守っています。

 さて、ここで、

「B! 何やっているんですか、早く教室に入りなさい。」──そう言うのは簡単です。しかし、その時は少し静観することにしました。

 寒い時期ではないので、風邪をひくことはないだろうし、服が濡れても体育着に着替えればすむことなので。

 少しすると、Yという女の子がBのところに近寄っていきました。そして、

「Bくん、びしょびしょですよ。もうやめて、教室に行きなさい。」

 まるで、母親が小さい子を諭すよう。その様子があまりにおかしかったので、大笑いしてしまいました。

 子どもたちもみんな笑っています。

 教室に入ってきたときも大笑い。なにしろ、全身びしょびしょなのですから。

 Yには、おかげで助かったとお礼の言葉を伝えました。

 この、雨の日に校庭を走り回るのは、その後も何回か続きました。そして、その都度、Yがやさしくたしなめてくれました。そして、みんなで大笑い。

 この事件により、Bはおもしろいことをしてくれる──クラスの中でそういう存在になっていきました。             (つづく)

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学級だより №266