10.「Bくんがどこにいるか、わかりませんでした。」
その後も、Bはがんばりました。もちろん、他の子と比べればまだまだですが、4月当初のことを考えれば雲泥の差です。
そして、5月の終わり、運動会でのこと。
3年生は、表現で「チャービラサイ」という沖縄の民舞を踊りました。
Bは、体育は決して得意ではありません。そして、苦手なものは避けて通ろうとします。
それでも、運動会の練習はBなりによくがんばりました。エスケープすることは、一度もありませんでした。
そして、本番が終わり、W教諭が私のところに来て、こんな話をしてくれました。
「Bくん、すごいですね。はじめ、どこにいるかわかりませんでした。」
Bが他の子と同じような動きをしていた、一体化していたという意味です。
これ以上のほめ言葉はありません。
11.身支度を早くする
2年生のとき、着替えが遅く、いつもみんなより5分は遅れて校庭に出ていたB。これでは、友だちから「B、何やっているんだよ。」「速くしろよ。」──そう言われても仕方がないです。
もちろん、このようなきつい言い方をすることはよくないですが、言われるようなことをする方もよくありません。
できないわけではないのですから。
これも捨て置けません。
Bの身支度の遅さ、それは、できないからではありません。まわりのいろいろなことが気になって、集中できないからです。
そこで、このこともBと話し合いをもちました。
そして、子どもたちにも
「皆さんに言います。Bくんに『速くしろよ。』と言うのはやめなさい。子どもたちに注意をするのは先生の仕事です。この大事な仕事を先生から取ってはいけません。」
Bが着替えるとき、私はまわりの子の様子ももちろん気にしながら、Bに視線を向けていました。Bもそれが感じられたようです。着替えることだけに集中しようとし、実際、速くなっていきました。
途中からは、私がいないときでもできるようになりました。 (つづく)
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