16.次の日
偶然ですが、この日、私は看護当番で校門の前に立つことになっていました。すると、Aの母親がAと一緒に学校まで来たのです。
これは、絶好のチャンスと思い、看護当番の仕事はそっちのけで、Aの母親と話をしました。
話をした──というよりも、ほとんど一方的に話を聞いたという方が正しいのですが。
内容はよく覚えていませんが、好意的なものであったことは確かです。
そして、連絡帳を見てみると、しっかりサインがしてありました。
17.それ以来
1か月ほどたちますが、サインを忘れたのはただの一度だけ。毎日、きちんとしてくれています。
それだけではありません。
それまでのAは、学校に持ってきていないものがたくさんありました。例えば、赤青えんぴつや消しゴム、生活リズム調べ、音楽や図工のバッグなどなど。
それらを、連絡帳に「持ち物 ○○」と書いておいたのですが──翌日には、きちんと持ってきていました。音楽や図工のバッグもすぐにそろったのには驚きました。
ちなみに、Aの連絡帳は、Aに書かせず私が書いています。また、配付物や返却物は学校の封筒に入れ(この封筒の表に、「中身を受け取ったら、空にしてお返しください」と書いています)、連絡袋に入れています。 (つづく――次回、最終回です)
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