18.そして
母親が連絡帳にサインをするようになり、数日後に連絡帳の書くスペースがなくなってしまいました。せっかく、よい習慣になり始めたのにこれは困ったなと思ったのですが──翌日には、新しい連絡帳が用意されていました。
さらに、こんなことも。
連絡帳に、このように書かれてあったのです。
「おはようございます。昨日、○○のため宿題をさせることができませんでした。今日、2日分やってくるようにします。申し訳ありません。」
また、こんなことも。
ある日、Aが連絡袋を学校に置き忘れて帰った(学童に行った)ことがありました。そこで、それを学童に持っていったのですが、次の日には
「昨日はお忙しい中、ありがとうございました。」
学校公開にも来て、ニコニコしながら授業に「参加」してくれました。
はじめのうち、Aの母親は育児を怠けている──そう思っていたのですが、それは全くの誤解であったと今反省しています。
19.その後
翌年度、私は満期のため異動をしたので、Aのその後を直接見ることはできませんでしたが、Aは毎年、年賀状をくれました。
話によると、Aは3・4年生では担任とうまくいかず、再び荒れた日々を送ってしまったとのこと。それでも、5・6年生では立ち直り、無事、卒業することができたようです。
ちなみに、その5・6年の時の担任は、私がAを受け持っていたときに教育実習生として私のクラスに配属されたCさん。Cさんは大学卒業後、その学校に赴任し、Aの担任になったのです。
Aが立ち直ったのは、本人の努力はもちろんでしょうが、C先生のがんばりも大きかったと思います。
また、Aの母親は、卒対の委員長を引き受けたそうです。 (おわり)
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