2023/12/20

Bくんとの出会い その2

 2.3年生に進級

 私が受け持つことになりました。

 始業式の日。

 校庭でクラス替えの名簿を配り、子どもたちは大体の背の順で整列し、始業式がスタートしました。

 Bはとても大柄。背の順は一番後ろです。

 さて、この始業式の時、Bはどうしていたかというと──案の定、校長の話など聞かず、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、そんな感じでした。

 その時、私は子どもたちの前に立ち、そのBの様子をずっと見ていました。注意はしませんでした。

 式後、この年に異動してきたある教諭から一言、

「先生のクラスには、とっても大変な子がいますね。」


3.はじめの1週間

 そのあと、教室に入りました。

 私は、前年度、半分の子を受け持っていましたし、また、となりのクラスも関わることが多かったので、全員の名前はもちろん、どんな子かといったこともだいたいはわかっていました。

 しかし、となりのクラスの担任は初めてだったので、それに合わせて席は出席番号順にしました。

 Bの出席番号は11番。彼の席は灰色で塗りつぶしたところです。本当は一番前にしたかったのですが、それでもまだ、ここなら見通しがききます。

 このクラスになって、Bは大声を出したり、離席をしたりすることはありませんでした。とは言っても、私が特別な指導をしたわけでもありません。Bが前年度に比べて多少なりとも落ち着いた生活をしたのには──もちろん、ほかの子と比べたら天と地ほどの差があるのですが──理由がありました。

 それは、あとから分かったことですが。  (つづく)


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学級だより №64