2.3年生に進級
私が受け持つことになりました。
始業式の日。
校庭でクラス替えの名簿を配り、子どもたちは大体の背の順で整列し、始業式がスタートしました。
Bはとても大柄。背の順は一番後ろです。
さて、この始業式の時、Bはどうしていたかというと──案の定、校長の話など聞かず、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、そんな感じでした。
その時、私は子どもたちの前に立ち、そのBの様子をずっと見ていました。注意はしませんでした。
式後、この年に異動してきたある教諭から一言、
「先生のクラスには、とっても大変な子がいますね。」
3.はじめの1週間
そのあと、教室に入りました。
私は、前年度、半分の子を受け持っていましたし、また、となりのクラスも関わることが多かったので、全員の名前はもちろん、どんな子かといったこともだいたいはわかっていました。
しかし、となりのクラスの担任は初めてだったので、それに合わせて席は出席番号順にしました。Bの出席番号は11番。彼の席は灰色で塗りつぶしたところです。本当は一番前にしたかったのですが、それでもまだ、ここなら見通しがききます。
このクラスになって、Bは大声を出したり、離席をしたりすることはありませんでした。とは言っても、私が特別な指導をしたわけでもありません。Bが前年度に比べて多少なりとも落ち着いた生活をしたのには──もちろん、ほかの子と比べたら天と地ほどの差があるのですが──理由がありました。
それは、あとから分かったことですが。 (つづく)
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