4.「Rちゃんがかわいそう・・・・」
それから1週間たち、席替えをしました。はじめの席は、私が決めました。
Bの席は右の場所にしました。
BのとなりはRという女の子。前年度はBのとなりのクラスだった子です。
さて、私が席順を発表し、子どもたちがそれぞれの場所に移動したときのこと。
Rの後ろになったKがこんな言葉をつぶやきました。
「Rちゃんがかわいそう。」
Kは昨年度、Bと同じクラスだった子です。
それを聞いて、昨年度のクラスでの立ち位置がわかった気がしました。
何かと問題行動を起こすB。迷惑を被った子は少なからずいたはずです。そのときの担任も――Bが転入してきたときは教頭に代わり、別の方が担任を務めていました――Bの行動を許すわけにはいかず、注意を重ねていたことでしょう。
5.しかし
注意をするだけで、事態が改善されるわけはありません。また、全員の前でそれをやり続けていたとしたら、Bは先生から怒られる存在であり、自分たちよりも下の立場だ──子どもたちにそういう気持ちを植えつけてしまいます。
これではいけません。
Bは、ほかの全ての子と同じように、このクラスの大事な一員です。そういう立ち位置に立たせてあげなければいけません。そして、それは担任にしかできない仕事です。
Kの言った一言──「Rちゃんがかわいそう。」──決して発してはいけない言葉です。当然、Bの耳にも入ったことでしょう。
しかし、これを聞いたおかげで、Bに対する方向性が見えた気がしました。
とは言っても、見えただけでゴールまでは全く見通すことはできなかったのですが。 (つづく)
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