2024/08/31

学級だより №96

夏休みになる前日、下のような学級だよりを出しました。 


№ 96 2024年7月19日


 山梨県では、子どものことを「ぼこ」と言います。ちなみに、カイコ(蚕)のことも「ぼこ」または、「おぼこさん」と言います。子どもとカイコ、何の関係もないようなこの二つが、なぜ、同じ「ぼこ」と言う言葉で表されるのでしょうか。

 山梨県では、その昔、養蚕業が盛んでした。カイコは、生活をしていく上でなくてはならない、とても大切な「宝物」だったわけです。「宝物」ということでは、子どもも同じです。家族にとって欠かせない、大切な大切な「宝物」です。

 この「ぼこ」という言葉には、もともと「宝物」という意味があるのではないでしょうか──あくまでも私の推測に過ぎませんが。

 そう言えば、万葉詩人の山上憶良は、次のような歌を詠んでいます。

     「銀も 金も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも」


 さて、明日からいよいよ夏休み。

 今から40年近く前、私が新卒の時、最初に受け持ったクラスのあるお母さんが、夏休みについてこんなことを言っていました。

「学校では、夏休み中も規則正しい生活をしましょうと言いますね。でも、私は夏休みだからこそ規則正しくない生活をすべきだと思います。」

 これ、言葉としては過激ですが、言わんとしていることはその通りだと思います。つまり、「夏休みのようなときにしかできない経験をたくさんすべき」だということです。

 田舎へ行って、夜中ずっと起きていて、星の観察をするのもいいでしょう。日の出前に起きて、つりに出かけるのもいいでしょう。

 また、うんと「こきつかう」のもいいかもしれません。子どもたちは、教えてあげればある程度のことができると思います。はじめは、「じれったい」「自分でやった方が早い」と思われるかもしれませんが、そのうち「こんなこともできるの?!」と驚かれるようになるのではないでしょうか。

 これも、ふだんはなかなかできないこと、「夏休みのようなときにしかできない」ことです。

 とにかく、夏休みしかできないことをいろいろしてほしいと思います。もちろん、健康と安全には十分に気をつけて。

 では、よい夏休みをお過ごしください。


 私の勤めている学校は、明日から2学期が始まります。

 子どもたち、どんな夏休みを過ごしていたでしょうか。

2024/08/11

学級だより №80

 № 80 2024年7月5日


 ずっと以前のこと、家で何気なくテレビのチャンネルを回していたら、「笑点」でおなじみの林家たい平さんが出ている番組が目にとまりました。

 この番組は、たい平さんが修業時代にお世話になった店などをたずね回るというものでした。

 その中で、浅草にあった居酒屋(今は閉店)の場面になったときのこと。

「この店の女将は(いい意味で)とても厳しい方でした。私(たい平)がつまみを食べていたらこう言うのです。

『何ですか、その箸の持ち方は。あなたは、これから先、出世をしたら食べ物の番組にも出るようになるでしょう。大勢の人があなたのその箸の持ち方を見るのですよ。そうしたら笑われますよ。

 笑われるのは、あなたではありません。あなたのお母さんです。』

 それ以来、私は箸を正しく持つよう練習しました。女将に言ってもらわなかったら、私は今でも変な持ち方をしているはずです。」

 この話を聞いていてその通りだと思いました。

 今、「国際理解(教育)」の重要性が指摘されています。

 その「国際理解」の一つに、「国や地域・民族によって、それぞれ独自の文化や宗教・価値観があることを知る。」ということがあります。

 しかし、他国の文化の前に、まず、自分の住んでいる国の文化ではないでしょうか。

 箸を正しく持って食べる――その文化をきちんと受け継いでもらいたいと思います。

2024/08/03

学級だより №77

 № 77 2024年7月3日


 今日も宿題についてです。

 これも以前、受け持ったクラスでのことです。ある子がこんなことを言ってきました。

「昨日の夜、家族で出かけていて、帰ってくるのが遅くなったので、宿題ができませんでした。」

 そのあと、この子とこんなやりとりをしました。

「いくら帰りが遅くなったとしても、そのあとやればよかったのではないですか。」

「お母さんが、もう遅いから宿題をやらないでいいから寝なさいと言いました。」

「お母さんが、本当にそんなことを言ったのですか。お母さんに確かめてもいいですか。」

「・・・・ダメです。」

「もし、仮にそう言われたのなら、そのことを連絡帳に書いてくれるはずです。それに、次の日、早く起きてやればよかったではないですか。なぜ、早起きをしなかったのですか。」

「・・・・。」

「それに、家族と出かけたとしても、その前にやる時間はあったはずですよね。違いますか。」

「そうです・・・・。」

「それなら、宿題はできたはずですよね。これからは、そんな言い訳をしてはいけませんよ。わかりましたね。」

「はい。」

 ──新しいクラスを受け持つと、いつもこれに似たようなやりとりがあります。宿題をやり忘れたことを何とか正当化したい、担任に認めてもらいたい──そういった気持ちから出た言葉なのでしょうが、「わかりました。」と言うわけにはいきません。

 風邪などをひいて具合の悪いときでも宿題をやってきなさい──そんなことを言うつもりはもちろんありませんが。


 この話と関連して──。

 先日の朝、ある子からこんな「申し出」がありました。

「先生、昨日、学習カードを持ち帰るのを忘れてしまったので、代わりに連絡帳に書いてきました。」

 持ち帰り忘れは感心できませんが、失敗をそのままにしなかったのは立派ですね。

学級だより №266