№ 217・218 2025年1月23日
前号の続きです。
日本の小学生は、欧米の小学生に比べ、分数の計算問題は、とてもよくできます。しかし、前号で紹介したような、それ以前の問題──そもそも分数とは?──については、あまりよくできません。
一体なぜでしょうか。理由はいろいろあるでしょうが、一番の理由は、文化圏の違いにあるようです。
そもそも、分数はどのようにして生まれたのでしょうか。初めに、このことを考えてみたいと思います。
まず、下のような、ひもがあるとします(図は省略)。
これが、どのくらいの長さがあるというと。
上のように(図は省略)、2mと半端が出ました。この半端、何mであるといえるでしょうか。
表し方には、大きく2つあります。
ひとつは小数を使うやり方です。1mを10等分したひとつ(0.1m)が5つあれば、0.5mであると言います。
そのほか、「この半端がいくつあれば1mになるか。」という考え方で表すことができます。かりに、半端が2つで1mになるとしたら、それは、2分の1mであると言います。
初めの問題にもどります。
太線の部分は、「3つあれば1m」になります。ですから、①から⑤までは、すべて「3分の1m」となるわけです。このように、分数はもともと小数と同じく「半端を表すため」に生まれてきた数なのです。
しかし、このような形で分数を使うことは、日本では、まずありません。肉屋さんで「牛肉1.5㎏ください。」と言うことはあったとしても、「1と2分の1㎏ください。」と言うことはありませんよね。
それよりも、「りんご2分の1」のように、「いくつかに分けたひとつ分」という使われ方が圧倒的です。
ですから、「1m」という表示も気にせず、「7つに分けたひとつ」=「7分の1m」と、思ってしまったわけです。
この、「いくつかに分けた〇〇ぶん」という分数のことを「分割分数」と言い、初めに出てきた2分の1mや2分の1kgなどのように、ものの量を表す分数のことを「量分数」と言います。
そのほか、「150円の3分の1は50円」のように、分数は割合を表すときにも使われます。これを「割合分数」と言います。
また、「1÷5=1/5」の「1/5」を「商分数」と言います。
このように、一口に分数と言っても、様々な「顔」があるのです。そして、これらがごちゃごちゃになっているため、わけがわからなくなってしまうわけです。
ちなみに、欧米では「4分の1ドル」とか「ハーフタイム」のように暮らしの中に分数がうまく取り入れられています。ですから、日本の子どもたちに比べ、親しみやすいものになっています。
3年生の段階で、「分数とは何か?」を完璧に把握することは、非常に難しいと思います。しかし、今、学習している内容はきちんと理解してもらいたいです。

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