2024/05/20

学級だより №33・34

 № 33・34 2024年5月20日


  今日は、算数についてです。

 算数では、先日まで「わり算」について勉強しました。

 ところで、3年生のこの時期のわり算(計算)は、単なる「かけ算の裏返し」です。あまりがあるわけでも、答えが2けたになるわけでもありません。ですから、計算自体は難しくありません。子どもたちも、そう感じているようです。

 しかし、わり算の意味までしっかり理解する──このことが一番大事なわけですが──となると、簡単とは言えないかもしれません。

 もう何年も前のことです。私は、大人向けに、「算数教室」のようなことをしたことがあります。そのとき、こんな問題を出してみました。


「ここに、300gのようかんと、包丁と、はかりがあります。

 これから、『300÷3』という作業をしていきます。それが、完成したと思ったところで、手を挙げてください。」

 はかりにようかんをのせると、針は300gをさしました。

 まず最初に、左のように包丁で1か所、切り込みを入れました。

「これで、『300g÷3』が完成したと思う方はいますか?」

 すると、2~3名の方が手を挙げました。しかし、ほとんどの方は「これでは、まだ不十分」という顔をしていました。

 そこで・・・・。

 もう一つ切り込みを入れました。

 すると、全員が手を挙げました。これで「300g÷3」が完成したと思われたようです。でも、果たしてこれで本当に完成したと言えるでしょうか。

「みなさんに質問します。『300g÷3』の答えは何ですか? ──100gですね。 では、はかりの針は、何gをさしていますか。100g? ─―そうではありません。包丁で切り込みを入れただけですから、300gのままですね。

 ですから、これではまだ、『300g÷3』が完成したとは言えないのです。


『300g÷3』を完成させるには、3つに切り分けたうちのひとつだけを取り出さなければいけないのです。」

 ものを分けただけでは、わり算とは言えません。わり算のことを、「分け算」と思っている方も多いようですが、わり算は分け算ではありません。

 わり算というのは、同じように分けたものの中から、「ひとつ分を取り出す」計算です。


 この場合は、リンゴを皿に同じように「分ける」だけではだめで、その中から、ひと皿分を取り出さなければいけないわけです。このあたりをきちんと理解することが大切であると考えています。

 それにしても、大人も間違えるような問題に小学3年生が取り組んでいるのですから、子どもたちは大変ですね。それでも、よくがんばっていますし、よく理解していると感心しています。

 ちなみに、わり算には「ひとつ分を取り出す」というということだけではなく、別の意味もあります。                                                      (つづく)

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