2023/05/17

Aくんとの出会い その5

 11.保護者との関係

 4月の半ばに家庭訪問がありました。

 ここで、保護者とよい関係を作っておきたい──ところですが、そう簡単にはいきません。

 昨年度、叱られ通しのA。Aが叱られるということは、同時にその保護者も批判されているということです。

 当然、学校や担任に対してよい感情があるわけはありません。

 また、学校からの通知(家庭訪問など)が保護者に届いている確証もありません。訪問したが留守──その可能性は限りなく100%に近いです。

 そこで、電話をして確認をとることにしました。ところがなかなかつながらないのです。

 これは推測ですが・・・・。

 前の担任は、何かことあるごとに保護者に通告していたそうです。保護者からすれば、当然おもしろくありません。そのため、学校からの電話には出ない──だったのかもしれません。

 ところが、訪問予定日の数日前、たまたまでしょうが電話がつながりました──その後も、電話がつながったことはありません。

 これ幸いとばかりに、Aのがんばっていることを具体的に話し、

「こういった話を、今度の家庭訪問でお話しさせていただきたいのです。ところで、訪問の通知、届いていますか。」

 これに対して、予想通り届いていないという返事。それでも

「近所のHさんにコピーさせてもらいます。」


12.万事うまくいく──わけはない

 家庭訪問の日。

 初めて保護者と面会しました。

 はじめに、100点のテストを渡し、学校での様子を話しました。ダメなところは一切話さず、よいことだけ具体的に報告しました。

 相手も構えることなく、終始なごやかな雰囲気で話が進みました。

 最後に、宿題を全くやってこないので見てあげてほしいということ、連絡帳の確認と押印をすることをお願いしました。

 保護者も承諾しました。


13.ところが

 期待は全て裏切られました。宿題は全くやってこなかったのです。連絡帳の押印ももちろんのこと、なし。

 私は昨年度、かなりの問題児? Bを受け持ちました――Bについては、後日くわしく投稿します。

 Bはそれなりに大変でしたが、それでも母親はとても協力的でした。その様子を見て「これは何とかなるかもしれない。」と感じました。それに対して、Aの母親はそうではありませんでした。育児を放棄している──そのように映りましたた。保護者が協力してくれなくては、先に進んでいくことはできません。

 目の前が真っ暗になりました──この考えは後日一変するのですが。    (つづく)

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学級だより №64