2023/06/07

私は何もしていないのに その1

 「私は何もしていないのに、Aさんがたたいてきました。」

低学年を受け持つと、こういう「苦情」を受けることがあります。

そんなとき、どうしていますか。

よくあるパターンは、はじめに

「Aさん、なぜBさんのことをたたいたのですか。」

と「理由」を聞く、ではないでしょうか。

私は、これはあまりよい方法ではないと思います。

なぜなら、たたいてもよいという理由は存在しないからです。

理由がないのに、理由を聞くのはおかしいです。

 

さて、

「Aさん、なぜBさんのことをたたいたのですか。」

このように聞けば、子どもは必ずこのように答えるでしょう。「だって。」

「だって、Bさんが『バカ』って言ったからです。」

このように、自分の行為を正当化しようとします。

「なぜBさんのことをたたいたのですか。」と「弁明の機会」を与えられたのですから、当然です。

 

そして、

たたいてもよい、または、たたいても仕方がないなどという「理由」は、この世に存在しないのにも関わらず、担任の中には、このように言う人がいます。

「それは、『理由』にはなりません。」

「『バカ』と言われたからたたいたなんておかしいです。」

つづいて、

「Aさんは、こういうところがよくありませんでした。そして――、それから――、」

などと長々話し、

さらに、

「相手に謝りなさい。」

 

たたいたAを「確保」し、「事情聴取」をし、「裁判」にかけ、「謝罪強要」という「判決」まで下す。

つまり、担任は警察と検察、さらには裁判官の役を一人ですることになります。

その間、Aには「弁護人」もつきません。

  担任は、そんなに偉くはありません。 

などと、偉そうに書いている私も、新卒1年目や2年目の頃はそうしていました。

お恥ずかしい限りです

 

さて、

かと言って、

Aさんがたたいてきました。」

という「苦情」を受けた以上、些細な事案であったとしても――些細なことがほとんどですが――聞かなかったふりをするわけにもいきません。 

みなさんは、このようなとき、どのようにしていますか?        (つづく)

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学級だより №64