前回の学級だよりのつづきです。
以前、あるお母さんから、こんな話を伺いました。
「うちの子は、学校から帰ってくると、たまにこういう話をすることがあります。
『お母さん、今日、○○君に、こんな(いやな)ことをされたんだよ。』
それを聞くと、私は、いつもこんなふうに言ってしまいます。
『えっ! そんなことをされたの。』『それは、ひどいわね。』『かわいそうに。』
でも──。
友だちといざこざがあった時って、たいてい、うちの子も何か悪いことをしているはずで
す。ですから、『あなただって、何かしたんじゃないの?』みたいなことを言った方がいいのではないでしょうか。」
そこで、
「確かに、どちらか一方だけが悪いなどということは、めったにありません。双方に非があ
るものです。しかし、私は、お母さんのように、まず受け入れてあげることが大事だと思い
ます。とにかく、味方であるべきです。お母さんは、最後の拠り所、砦なのですかから。
そうして、全面的に認めているうちに、お子さんの方から、
『本当は、ぼくも・・・・。』
なんて、言ってくることもあるかもしれませんよ。そうしたら、ほめてあげましょう。『自
分の悪かったところを正直に言えたなんてえらいね。』と。」
こんなふうに答えました。
それに対して、そのお母さんは、けげんそうな顔。本当にそれでいいの? 甘いのでは?
といった感じでした。
そこで、
「ひとつ伺いますが、ご友人に、『ちょっと聞いてよ! 今日、職場でこんなひどいことがあ
ったのよ。』みたいに愚痴を言ったこと、ありませんか? それって『それはかわいそうに。』と、同感してもらいたいから、わかってもらいたいから言うわけですよね。
その時に、ご友人から『あなただって悪いじゃない。』なんて一蹴されたらどうでしょう。
きっと、ムッとくるはずです。『わたしのこと、何も分かってくれない。』って。そして、二度と話なんかするものかと思ったりするのではないでしょうか。
子供だってそうです。いや、子供だからなおさら認めてもらいたいのです。」
(この回は、これで終わりです)
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