2023/07/21

けんかの後始末

 「先生、AさんとBさんがけんかをしています。」―― 子どもたちからそのような報告を受けること、ありますね。

その「後始末」の方法、いろいろあると思いますが、私がよくやるものの一つに「点数をつけさせる」というものがあります。

こんな感じに。

ちなみに、これは、昔、先輩に教わったやり方をアレンジしたものです。

 

「先生は、あなたたちがけんかをしているところを見ていません。ですから、どちらがいいとかどちらが悪いとか言うことはできませんし、しようとも思いません。

 そこで、自分に点数をつけてみてください。

 自分に悪いところは全くないと思ったら100点。全部悪いと思ったら0点です。

 どっちもどっちかなと思ったら50点です。

 0点から100点の間で点数をつけてください。 

ところで、二人に聞きますが、100点満点と言うことはないですよね。0点と言うこともないですよね。」

 二人揃っているところでこのように聞かれたのですから、自分は全く悪くないとは言えません。この質問をすると、ほぼ100%うなずきます。 

 そして、

「では、点数を教えてください。まずは、Aさん。」

 すると、Aさんは

「60点です。」

などと答えます。そこで、

「えっ! と言うことは、Aさんは、40点も悪いと思っているのですね。自分に厳しいですね。さすがです。では、あとでその40点分、謝ろうね。」

と言います。

 子どもは叱られると思っていたのに、ほめられたのですから、悪い気はしません。当然、「はい。」と答えます。

 Bさんにも同じように質問し、減点した分だけ謝るよう促します。 

 そして、

「では、お互いに謝りましょう。」

 すると、

「ごめんね。」「いいよ。」

「ごめんね。」「いいよ。」

となります。 

 その際、

「○○してしまってごめんね。」

などと、やった行為まで言えたら、それもほめます。 

 そして、「お互い、きちんと謝ることができてえらかったですね。あなたたちなら、もうこんなこと、しませんよね。」

と言って、終わりにします。 

 ところで、

なぜ、けんかがおきたのか、その理由を知りたいときは、互いの謝罪が終わり、クールダウンしてからにします。

「ちなみに、聞きたいのですが――どうしてこうなったのですか。」

 その時は、二人とも落ち着いているので、冷静に話をするはずです。

「そうかぁ、そんなことがあったのですか。それは怒りたくなりますね。でも、今のあなたたちなら、同じようなことがあっても、これからはけんかなんかしませんよね。」

 

 もう一つ、

 点数を聞くときには、プライドの高そうな子をあとに回すのがポイントです。

 先に聞かれた子が「60点」と言って40点分ほめられたら、プライドの高い子は必ずと言っていいほど、60点よりも低い点数を言います。なぜなら、その方がたくさんほめてもらえるからです。

  それにしても、

 子どもはえらいですね。けんかをしても、そのあとすぐ仲良くすることができますが、大人はなかなかできません。表面上は取り繕っても、心の中では・・・・ということ、よくあると思いませんか?

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学級だより №64