「先生、AさんとBさんがけんかをしています。」―― 子どもたちからそのような報告を受けること、ありますね。
その「後始末」の方法、いろいろあると思いますが、私がよくやるものの一つに「点数をつけさせる」というものがあります。
こんな感じに。
ちなみに、これは、昔、先輩に教わったやり方をアレンジしたものです。
「先生は、あなたたちがけんかをしているところを見ていません。ですから、どちらがいいとかどちらが悪いとか言うことはできませんし、しようとも思いません。
そこで、自分に点数をつけてみてください。
自分に悪いところは全くないと思ったら100点。全部悪いと思ったら0点です。
どっちもどっちかなと思ったら50点です。
0点から100点の間で点数をつけてください。
ところで、二人に聞きますが、100点満点と言うことはないですよね。0点と言うこともないですよね。」
二人揃っているところでこのように聞かれたのですから、自分は全く悪くないとは言えません。この質問をすると、ほぼ100%うなずきます。
そして、
「では、点数を教えてください。まずは、Aさん。」
すると、Aさんは
「60点です。」
などと答えます。そこで、
「えっ!
と言うことは、Aさんは、40点も悪いと思っているのですね。自分に厳しいですね。さすがです。では、あとでその40点分、謝ろうね。」
と言います。
子どもは叱られると思っていたのに、ほめられたのですから、悪い気はしません。当然、「はい。」と答えます。
Bさんにも同じように質問し、減点した分だけ謝るよう促します。
そして、
「では、お互いに謝りましょう。」
すると、
「ごめんね。」「いいよ。」
「ごめんね。」「いいよ。」
となります。
その際、
「○○してしまってごめんね。」
などと、やった行為まで言えたら、それもほめます。
そして、「お互い、きちんと謝ることができてえらかったですね。あなたたちなら、もうこんなこと、しませんよね。」
と言って、終わりにします。
ところで、
なぜ、けんかがおきたのか、その理由を知りたいときは、互いの謝罪が終わり、クールダウンしてからにします。
「ちなみに、聞きたいのですが――どうしてこうなったのですか。」
その時は、二人とも落ち着いているので、冷静に話をするはずです。
「そうかぁ、そんなことがあったのですか。それは怒りたくなりますね。でも、今のあなたたちなら、同じようなことがあっても、これからはけんかなんかしませんよね。」
もう一つ、
点数を聞くときには、プライドの高そうな子をあとに回すのがポイントです。
先に聞かれた子が「60点」と言って40点分ほめられたら、プライドの高い子は必ずと言っていいほど、60点よりも低い点数を言います。なぜなら、その方がたくさんほめてもらえるからです。
子どもはえらいですね。けんかをしても、そのあとすぐ仲良くすることができますが、大人はなかなかできません。表面上は取り繕っても、心の中では・・・・ということ、よくあると思いませんか?
0 件のコメント:
コメントを投稿