さて――。
先日、職場で漢字の宿題の添削をどのようにしているかが話題になりました。
その時、私はこんな話をしました。
「1ページに1つ、大きなまるや花まるをつけて返す──こういう先生、いますね。ほめてはいるのでしょうが、これだと漠然としすぎていてどこがよかったのか、よくわかりません。
また、はんこを押しておしまいという先生もいるようですが、これは論外です。子どもたちのがんばりを評価したとはとても思えません。それから、上手に書けていない字に赤を入れて直すという先生もいるかもしれませんが、それも感心しません。」
すると、ある若い先生から、
「だめなものを直すのが、なぜいけないことなのですか。」と聞かれました。
そこで、
「直すのがいけないのではありません。だめなところだけ指摘するのがいけないのです。私たちだってそうでしょう。例えば、通知表の所見の下書きを管理職に提出したら、だめ出しばかりされて真っ赤になって返ってきたとします。管理職としては、よりよい所見になってほしいという思いからそうしたのでしょうが、その思いは果たして伝わるでしょうか。『なるほど、指摘されたとおりだ。反省しなくてはいけない。』などと、思うでしょうか。
私は、決してそうは思いません。もし、そんなことをされたら『時間をかけて一生懸命書いたのだから、少しくらい認めてくれてもいいのに・・・・。』──そう思うことでしょう。
そうではなくて、『この書き方は○○なのでとてもいいです。』と具体的にほめてもらったり、『忙しい中、お疲れさまでした。』と、ねぎらいのコメントが入っていたりしたとしたらどうですか。うれしいですよね。これだったら、多少、指摘を受けたとしても、素直に受け入れることができるのではないでしょうか。
大人でさえそうなのですから、子どもはなおさらです。」 (つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿