№ 2 2024年4月10日
一昨日、始業式の日の3時間目でのことです。
「今から名前を呼ばれる人は、その場に立ちなさい。△△さん、○○さん、□□さん・・・・。」
そのとき、私はわざと声のトーンを落として言っていきました。そのため、呼ばれた子は一体何事? 何か悪いことをしたのかな? ── 一様にそんな表情をしていました。
それでも、このクラスの子はえらいですね。みんな、きちんと「はい。」と返事をしながら立っていきました。
さて、
「今、名前を呼ばれたみなさん、もしかしたら、怒られるのではないかと思ったのではありませんか? 心配させてごめんね。実は、その反対です。
20分休みに、みんなが校庭に遊びに行ったあと、下駄箱のくつを見てきたのですが、名前を呼ばれた人は、上ばきがきちんとそろえて置いてありました。とても立派です。
それから、名前を呼ばれなかった人たちも悪かったわけではありません。あと少しというところでした。」
怒られるのでは──と思っていた子どもたちは、これを聞いてホッと一安心。そして、ニコニコ顔に変わっていきました。
くつをきちんとそろえる──たかが、そのくらいのことと思われるかもしれません。確かに、些細なことかもしれませんが、こういう細かなことに気を配れることは、とても素晴らしいことではないかと思います。
今から60年ほど前、京都大学出身の哲学者で、教育学者でもあった森 信三は、次のように言っています。
「しつけとは3つのことを教えることである。
①朝のあいさつをする子に ②「ハイ」とはっきり返事のできる子に
③席を立ったら必ずいすを入れ、はきものを脱いだら必ずそろえる子に
この3つのことができる子というのは、間違いなく優秀な子どもである。学習意欲があり、集中力があり、責任感も強く、人間的にもたいへん豊かなものを持っている。」
さて、子どもたちが帰ったあと、下駄箱に行って上ばきの置き方を見てみると──全員がきちんとそろえていました。さすがです。
0 件のコメント:
コメントを投稿