№ 23・24 2024年5月8日
先日の漢字練習の時間に、「右」と「左」の書き順を確認しました。
子どもたちは、みんな「そんなの簡単、簡単」――そんな顔をしていました。しかし、実際、確かめてみると、正しく書けたのは3分の2ほどでした。
「右」は「ノ」から、そして、「左」は「一」から書き始めます。
そこで――、
「では、なぜ『右』は『ノ』から、『左』は『一』からだと思いますか。」
すると――「そんなこと、考えたこともなかった」――みんな、そのような顔をしました。
また、「右」は、はらいの先と横画の左端の距離が短いです。
ですから、「右」という字は、はらいをした流れで横画を書くようにするとスムーズに書くことができます。
反対に、「左」は、横画の右端とはらいの書き始めの距離が短いので、1画目を横画にすると形がよくなるのです。
日本では、1958年(昭和33年)に文部省(当時)から「筆順指導の手びき」が示されました。戦後の一時期、国語教育の中では、書き順など全く顧みられなかったことから、指導の手引きの要望があったそうです。
文部省でこの手引きを作る際、当初、「右」と「左」は同じ書き順にするという話だったそうです。しかし、文部省主任教科書調査官を務めた江守賢治氏がそれに強く反対。「右」と「左」の書き順を違えるように強く主張し、最終的に氏の意見が採用されました。
江守氏の反対の理由は、「短いものを書いてから長いものを書いた方が筆の運びがスムーズだから」というものです。そして、そのことがより美しい字を書くことにつながります。
この話を子どもたちにしたところ、一斉に「なるほど!」
そのあと、このような問題を出してみました。
「みなさんは、5年生になると、『布』という字を習います。この字の1画目は『ノ』でしょうか。それとも『ー』でしょうか。」
という問題を出しました。
「布」は、「右」と同じく横画が長くなっています。ですから、1画目をはらいにすると形の整った字が書きやすくなります。
子どもたちも、そのことに気づいたようです。全員正解!
では、やはり5年生で習う「在」はどうでしょう。これは、「左」と同じく左はらいが長くなっています。ですから、横画から書くと整った字が書きやすくなります。
この問題も正解です。
横画が長く、左はらいが短い字では、左はらいを先に書く→(例)「右」「有」など
横画が短く、左はらいが長い字では、横画を先に書く →(例)「左」「友」など
子どもたちには、これからも書き順をきちんと覚え、美しい字を書いてもらいたいと思います。
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