№ 51 2024年6月10日
いつだったか忘れてしまいましたが、紀行番組をみることがありました。
ある女性のリポーターが各地を旅し、その土地の名物料理を紹介するというものです。
テレビに映し出された景色は美しく、そして、出された料理もとてもおいしそうなものでした。しかし、リポーターさんの箸の持ち方、これだけはいただけるものではありませんでした。
とっても不思議な持ち方をしていたのです。これでは、せっかくの料理も台無しです。
ところで、このクラスの子どもたちは、箸を正しく持てるでしょうか。
そこで、ある日のこと、子どもたちに
「みなさんは、箸を正しく持つことができますか。」
と、尋ねてみました。そして、箸の代わりに長い鉛筆を2本持たせてみると──。
自信満々に私に見せる子がいたかと思えば、うまく動かせず困っている子も。
これならOK!! と思える子は2人。クラス全体の1割足らずでした。
この数字を聞くと、少ないと思われるかもしれません。しかし、ここ数年、受け持ったクラスで、きちんと持てる子の割合はいつも1~2割程度。
また、ある年などは、一人もいませんでした。
ちなみに、正しく持てた2人はお母さんに教わったとのことです。
箸を正しく持つというのは「当たり前」のことです。しかし、このリポーターさんに限らず、大人の中にも正しく持てない人、けっこういると思いませんか。ですから、3年生の子ができないのは、ある意味「当たり前」なのかもしれません。
かくいう私も、小学4年生の途中まで、ひどい持ち方をしていました。恥ずかしくて、見せられたものではない──そんな感じでした。
それでも、幸い? なことに、私の小学生の頃は、まだ、「米飯給食」はありませんでした。主食はパン。箸は使わず、いつも「先割れスプーン」を使っていました。ですから、箸を正しく持てないということを、友だちに知られずにすんだわけです。
それを直すきっかけになったのは、4年の夏休みに行われた林間学校でした。林間学校──そこでは、ご飯が出ます。当然、箸を使います。すると、私の奇妙な箸の持ち方がばれてしまうわけです。 (つづく)
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