№ 47 2024年6月5日
前号――お椀を持って食べる――と関連して
先日、子どもたちにこんな質問をしました。
「食事の時はご飯茶碗やおつゆのお椀は持って食べるのがマナーですが、日本のように食器を持って食べる国はほかにあると思いますか。」
すると、多くの子が「ある」と考えました。そして、
「中国だと思います。」「韓国です。」「ベトナムです。」――このような予想が多く出されました。子どもたちは同じアジアの国々では、日本と同じように食べると考えたようです。
しかし、どれも不正解。
中国では、ご飯茶碗は手に持つのはOKですが、その他はマナー違反だそうです。麺類などはレンゲ(スプーン)を使います。
韓国でも、食器を持たないのが一般的だそうです。第一、金属製の食器を持って食べるのは熱くてできないでしょう。
それに対して、日本のおつゆのお椀は木製です。軽い上、熱が伝わりにくいです。ですから持って食べるのに適しています。また、日本の米は粘り気があり、スプーンですくうよりも箸でつかんだ方がやりやすいといえます。
日本の箸文化は、中国や韓国から渡ってきたものですが、上のようなことからスプーンはすたれ、茶碗やお椀は手で持つようになったのではないかと言われています。
日本のように、食器を持って食べる国は、かなり珍しいようです。
さて、
「家庭にある箸や茶碗はだれが使うものか決まっていますか。」
子どもたちに聞いたところ、全員が手を挙げました。
それに対し、
「スプーンやフォーク、お皿などもだれが使うものか決まっていますか。」
これには、だれも手を挙げませんでした。
「スプーンやフォークはどれも同じものです。箸とは違います。」
日本では「マイ箸・マイ茶碗」があるという家庭が一般的ですが、外国にはこのような文化はありません。
日本独自の食事の文化(マナー)、子どもたちにはきちんと理解し、受け継いでもらいたいと思います。
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