これは、ある小学校のPTA新聞の抜粋です。
PTA文化部では、去る11月25日、○○大学教授、○○○○先生を招いて、「反抗期・思春期にある子どもの扱い方」という題で1時間半にわたり、講演していただきました。
2教室打ち抜いた会場を、いっぱいにうずめた二百余名の参加者は、具体的な事例をまじえて、興味深く話される先生の話に、深い共感を呼び、残された30分の質問時間も足りぬほどでした。
「感情でぶったり、なぐったりしても、子どもの反省にならない」
昔は、躾方として、子どもは家でも学校でもよくなぐられた。妙なことで、そんなにやられても、子どもはどんな悪いことをしたのかさっぱり解らないでいることが多い。
これは、気分や感情で打っているからである。これでは、二度とやるまい、などという気が子どもにおきてこない。ぶったり、おどかしたりは躾としてよくない。それによって、不良になった例もある。叱ってもよいが、悪いことを相手に納得させ、直してあげようという心がけが大切である。
子どもの顔を見ると、文句ばかり言っていると「また始まったから逃げちゃえ」ということになる。薬も使いすぎるとよくない。ここは一発という時にし、乱用しないこと。そして、どこかに逃げ道を作っておいて、悪いと気がついたら許してあげることです。
「叱り方の注意」
低学年では、その場で叱る。後では効果がない。他の人や兄弟の前では絶対いけない。
体の小さいだけが子どもなのではない。考え方も子どもである。それを、大人のようなことをしろと期待するからいけない。大人の都合のよいことをもって躾としているが、時代とともに子どもも進んできているから、こんな躾ではだめです。
「子どものやったことを正当に認めてやる」
子どもの言い分として「勉強したことをちょっとでも認めてほしい」というのが多い。この認めてあげることの意味は心理学の法則でもある。かといって、なんでもほめてあげることではない。大切なことは、子どもの気持ちを上向きにのばしてあげるよう仕向けることである。
他の人や兄弟と比較して、悪くいうことは絶対よくない。非行原因の主な理由はこの兄弟との比較である。子どものよいところを認めてよくしていくのが根本だ。認められないと思うと、反抗の原因にもなる。
思春期の特徴としては、自分に目覚めてくること、鏡を見る回数が多くなったら、青年期に入ったと思ってよい。自分はどんな人間かつかもうとしている。この頃になると、自分を自分で試してみようとする気が出てくる。これを、親が解らないでだた怒るのは、子どもを認めていないことになる。そうすると、問題が出てくる。
ちなみに、このPTA新聞の発行日は、昭和36年12月20日。令和でも平成でもありません。
昭和36年と言えば、60年以上も前のこと。今とは時代が全く違うはずなのに、この考え方は、現在でも十分通用すると思いませんか?
「感情でぶったり、なぐったりしても、子どもの反省にならない」
「子どものやったことを正当に認めてやる」
「他の人や兄弟と比較して、悪くいうことは絶対よくない」・・・・
まさに、その通りだなと思います。