「授業規律」で大事にしていること
例えば・・・・
⑨ 担任自身がおもしろいと感じる授業を展開するよう心がける
「教科書通り」を疑う
東京大学大学院准教授の村上祐介さんは、このように言っています。
小学校に広がる謎ルール「スタンダード」とは何か~教員と子どもを縛る教育システム
最近の教員を見ていると、あまり自分で考えないという傾向が強まっていると感じま
す。「スタンダード」にしても「なぜこういうルールがあるのか」と聞かれて、「上が
決めたことだから」「伝統なので」としか答えられないことが多いのではないでしょう
か。教員自身が多忙で余裕がないため、「スタンダード」のようなものがあると、むし
ろ「考えなくてすむから楽だ」と思ってしまうのかもしれません。また、今の日本の学
校現場は上意下達の組織という面が強まっており、教育委員会や校長の指示は基本的に
受け入れるという流れになっていることも影響していると思われます。
「スタンダード」がはらむ問題は、日本の教育界が抱える矛盾でもあります。近年、国
際的な経済競争に勝ち残るためという名目で、言われたことをやればいいというのでは
なく、「自ら考え、自ら学ぶ」という主体的な学びが要求されています。国が定める新
学習指導要領にも、「主体的・対話的で深い学び」という目標が記されています(小学
校では2020年度から実施)。
しかし、「自ら考えない」教員が子どもたちの自ら考え自ら学ぶ能力を育むことなど
できるはずがありません。マニュアル的な内容が多い現行の「スタンダード」は、「と
りあえずスタンダードを守っていればいい」ということにつながりかねず、教員の考え
る力を削ぐという点で非常に弊害が大きいと言えます。
「自ら考えない」教員が子どもたちの自ら考え自ら学ぶ能力を育むことなどできるはず
がない――その通りですよね。
教科書通り教える、教科書に書いてあるから教える――果たして、それでいいのでし
ょうか。おもしろい授業になるでしょうか。 (この回 終わり)