2024/06/21

学級だより №64

 № 64 2024年6月20日


 今日は、箸の持ち方? についてです。

 3週間ほど前から始めた箸の練習。みんなとっても上手になりました。

 はじめの頃、きちんとできていた子は27人中2人でした。それが、今は、ほぼ全ての子が正しく持てるようになりました。

 せっかくできるようになってきたのですから、おうちで食事をするときも、きちんと持ってもらいたいと思います。

 もちろん、箸だけではなくお椀も――給食を食べているとき、変な持ち方をしたり、肘をついたりする子、まだ少しいます。ご家庭ではどうでしょうか。

 さて、机の中にしまってあった練習用の割り箸も、みんなのがんばりのおかげで、その役割をほぼ終えました。しかし、そのままごみ箱行きではもったいないです。

  そこで、先週、その割り箸を使って、割り箸鉄砲を作りました。

「今日の学活の時間は、『割り箸鉄砲』を作りましょう。」

 そう言って、下の写真のようなものを見せると、みんな大喜び。

 ところで、子どもたちのほとんどの子が初めて作ったようで、はじめは悪戦苦闘した子がたくさんいました。それでも、次第に慣れてきて、最後の方は輪ゴムの止め方もだいぶ上手になりました。

 そして、出来上がったところで「試し撃ち」。黒板や扉に向かってみんな「バキュン バキュン」と楽しそうに撃っていました。

 また、のりや筆箱などを机の上に立ててそれを的にして狙い撃ちしてみたり・・・・。

 みんな、工夫をしながら楽しそうに遊んでいました。

 そして、その楽しい時間も、あっという間に過ぎていき、終了の時刻になりました。

 すると、

「とっても楽しかった!!」

「先生、今日、これ持って帰ってもいいですか。」

2024/06/19

学級だより №61・62

 № 61・62 2024年6月18日


 前号――「ひらがな」について――のつづきです。

 先週の火曜日と水曜日、連絡帳にこのようなことを書きました──「宿題 ひらがなプリント」

  保護者の皆さまは、これを読んで「あれ?」と思われたかもしれませんね。「1年生ではないのに、“ひらがなの練習”だなんて。」

 これは、こういったことからです。


 先日の授業で、子どもたちにこんな質問をしました。

「漢字とひらがな、きれいに書くのが難しいのは、どちらだと思いますか。」

 これに対する子どもたちの考えは、「漢字」と「ひらがな」が半々程度でした。

 さて、子どもたちの答えを受けて、このような話をしました。

「漢字はたくさんあるので、覚えるのは大変ですね。でも、きれいに書くのが難しいのは、ひらがなだと思います。」

 漢字よりもひらがなの方が形を整えるのが難しい──その理由はいくつかあります。

  まず、ひらがなはそれぞれ様々な形をしているということです。「る」と「ろ」、「ね」と「れ」のように、似た字もあったりしますが、基本的にどの字も形が違います。

 それに対し、漢字は、右の表のように、わずか10この「部品」から成り立っています。この「部品」を組み合わせて、無数の漢字が作られているのです。

 また、漢字は、「たてかく」や「よこかく」のように、直線が多いのに対し、ひらがなは曲線が多く使われています。これが、形を整えるのを難しくさせています。

 その難しいひらがなですが、きちんと練習するのは1年生の一度きりです。

 もちろん、漢字も「新出漢字」として練習するのは一度きりです。

 しかし、中学年や高学年で習う漢字は、「へん」と「つくり」のように、下の学年で習った漢字を組み合わせたものが多いです。ですから、「新出漢字」としての練習と同時に、「既習漢字」の復習もしていると言えるのです。

 それに対して、ひらがなの練習は、1年生の夏休み前までで終わります。そのあとの「文字の練習」は、もっぱら漢字です。ひらがなをきちんと練習することは、ほとんどないでしょう。ですから、大人の中にも、形の悪いひらがなを書く人がいたりします。

 たとえば、「な」という字。「な」のななめせんは、本来、短く書くのがふつうですが、「た」のように長く書く人がいます。

 何をかくそう、私自身がそうでした。それも恥ずかしながら、教員になるまで、ずっと、そのように書いていました。子どもたちにその話をしたら、みんな大笑い。

  たとえば、「れ」という字。たての線は、中央より左に書くのがよいわけですが、真ん中に書いている子、結構いたりします。

 たとえば、はね。一般にひらがなでは、はねた
先に続けて書くわけですが、それを意識していない子もいたりします。

 書き順を間違えて覚えている子も。


 また、子どもたちにとって、漢字は「大人の字」、ひらがなは「子どもが使う幼稚な字」──そんなイメージがあるようです。そのためでしょうか、宿題で書いた字を見てみると、漢字はていねいに書いていますが、ひらがなは手を抜いて書いている──そんな子がけっこういます。

 そこで、先週の国語の時間、漢字の練習をお休みして、ひらがなの練習に取り組み、宿題にも出しました。

 子どもたち、だいぶ上手になりました。しかし、お手本が手元にあればきれいに書けるけれど、ないとくせのある字になってしまう――まだまだそういう子がほとんどです。

 とは言っても、この程度の練習できれいな字が書けるようになるはずはありません。

 また、折を見て練習をしていきたいと思っています。

 ちなみに、私はどの学年を受け持っても、ひらがなの復習をすることにしていますが、上の学年を受け持つと、必ずこんな声が聞かれます。

「私、“す”って、こういうふうに書くの、初めて知りました。」


2024/06/18

学級だより №59

 「新聞に書かれている文字。漢字とひらがなとではどちらが多いでしょうか?」

──先週、子どもたちにこんな質問をしてみました。

   この場合の「新聞」は、読売や朝日、毎日などの一般紙です。「子ども新聞」などではありません。

 さて、この質問に対して、クラス全体の4分の3の子が「漢字の方が多い」と予想しました。

 そこで、どちらが多いか、調べてみることにしました。

 班ごとに新聞を1枚ずつ渡し、赤鉛筆でひらがなに印をつけていきました。参観された保護者の皆さまにも手伝ってもらいながら。

 作業を始めて少しすると・・・・、

「何だか、ひらがなの方が多い感じだなぁ。」

という声があちこちから聞こえてきました。

 そして、数分後、それぞれのページを見てみると──。

 ばらつきはあったものの、どのページもひらがなの方が多いことがわかりました。

 一般紙に使われる漢字の割合は、だいたい3割前後だと言われています。そして、漢字の割合が4割を超えると硬い印象になってしまいます。

「大人の読むような新聞でも、その多くはひらがなが書かれています。みなさんの書く文章だってそうでしょう。

 たくさん使われているひらがな。これがきれいに書かれている文章は、とても素敵に見えます。ですから、漢字をきちんと書くことはもちろん大事なことですが、それと同時にひらがなをきちんと書くこと、それもとても大事なことなのです。」

──そんな話をしました。

 子どもにとって、漢字は「大人の文字」、ひらがなは「子どもの(幼稚な)文字」というイメージがあるようです。実際、子どもたちの漢字ノートを見ていても、漢字はていねいに書いてはいるものの、ひらがなは手を抜いている──そういうものが多く見られます。

 ひらがなもきれいに書く──それはとても大事なことです。       (つづく)

2024/06/14

学級だより №57・58

 № 57・58 2024年6月14日


  問題です。


ここに、A・B・C、3つの紙コップがあります。それぞれの紙コップには、それぞれ別々の「仕掛け」がしてあります。

 まず、Aのコップに水を注ぎます。すると、すぐに下から水が出てきました。このAのコップには、どのような仕掛けがしてあるでしょうか。

 そうです。コップの底に穴を開けておいたのです。

 これは、簡単ですね。

 続いて、Bのコップです。同じように水を注ぎます。

 はじめは何も起こりませんが、そのまま注ぎ続けると、下から水が出てきました。このBのコップの仕掛けはというと・・・・。

 左の図のように、ストローをさしておけばいいですね。ストローの高さを越えると、その分だけ水が出て行きます。

 最後に、Cのコップです。このコップにも水を注ぎます。

 これも、はじめは何も起こりませんが、注ぎ続けると、水が出てきました。ここまではBと同じです。

 しかし、ここからは違います。Bは、ストローの高さまでくると下から出る水は止まり、コップに水がたくさん残りますが、Cは、中の水がずっと出続けるのです。

 紙コップの中には、水はほとんど残りません。

 一昨日、その「仕掛け付き紙コップ」を作ってみました。作り方はとても簡単なのですが、なぜそうなるかは、少し難しいかもしれません。

 いったい、どんな仕掛けになっていると思いますか。

 正解は、下の通りです。


 コップの中にはこのような仕掛けがしてあります。「曲がるストロー」をつけて、接着剤でとめただけ。

 たったこれだけです。

 そして、これに水を注ぐと──。                      

 はじめのうちは何も起こりません。しかし、ストローの先端にまで水がくると、大気圧により水が流れ出します。そして、中の水がずっと出続けるのです。

 この原理は、洋式トイレやコーヒーのサイフォンなどに応用されています。

 わかってしまえば何ということもないのでしょうが、でも、不思議な感じがします。

 余談ですが──。

 沖縄の石垣島のお土産に「教訓茶碗」というものがあります。右下のようなもの。底に穴が開いています。

 子どもたちにも実物を見てもらいました。

 この茶碗に水を注ぎ、ある一定以上になると、あのコップと同じように下から水が流れ続けます。

 これは、


「欲張りすぎると、結局全てなくしてしまう」

「腹八分目が大事」

という諌めをユーモラスに表現している茶碗なのです。


2024/06/11

学級だより №52

 № 52 2024年6月11日


 前号のつづきです。

 小学4年生まで箸を正しく持つことができなかった私。それでも、当時は学校で箸を使うことがなかったので、そのおかしな持ち方を友だちに知られることはありませんでした。

 しかし、夏休みに行われる林間学校では箸を使います。このままでは、友だちに笑われてしまいます。

 そこで、林間学校に行く前に特訓を始めました。ところが、指はなかなか言うことを聞いてくれません。また、いつもと違う筋肉を使うので、親指の付け根が痛くて仕方がありませんでした。それでも、2・3日も続けると痛みはとれ、1週間ほどで持てるようになりました。

 こういったことを子どもたちに話したあと、一人ひとりに割りばしを渡し、みんなで箸の持ち方の練習をしてみました。

 そして、練習が始まりましたが――なかなかうまくいきません。とは言っても、いつもの持ち方と違うのですから、できなくて当然。

 私の小学生の頃と同じですね。

 でも、みんなあきらめることなく、よくがんばっていました。

 この練習をした時間は、ほんの数十分。これだけで、今までできなかったことができるようになるわけはありません。

 それでも、そのあと、時間を見つけて練習する子が何人か見られましたし、また、おうちでもがんばったという子もいたようです。

 きちんと持てるようになった子が、少しずつですが増えてきました。

 そして、先週の終わりに「箸の持ち方検定」をしました。

「合格」と言える子は、何とクラスの9割ほどになりました。また、「意識さえすれば」ちゃんと持てるという子も含めれば、ほぼ全ての子ができるようになりました。

 みんなすごいですね!

2024/06/10

学級だより №51

 № 51 2024年6月10日


 いつだったか忘れてしまいましたが、紀行番組をみることがありました。

 ある女性のリポーターが各地を旅し、その土地の名物料理を紹介するというものです。

 テレビに映し出された景色は美しく、そして、出された料理もとてもおいしそうなものでした。しかし、リポーターさんの箸の持ち方、これだけはいただけるものではありませんでした。

 とっても不思議な持ち方をしていたのです。これでは、せっかくの料理も台無しです。

 ところで、このクラスの子どもたちは、箸を正しく持てるでしょうか。

 そこで、ある日のこと、子どもたちに

「みなさんは、箸を正しく持つことができますか。」

と、尋ねてみました。そして、箸の代わりに長い鉛筆を2本持たせてみると──。

 自信満々に私に見せる子がいたかと思えば、うまく動かせず困っている子も。

 これならOK!! と思える子は2人。クラス全体の1割足らずでした。

 この数字を聞くと、少ないと思われるかもしれません。しかし、ここ数年、受け持ったクラスで、きちんと持てる子の割合はいつも1~2割程度。

 また、ある年などは、一人もいませんでした。

 ちなみに、正しく持てた2人はお母さんに教わったとのことです。

 箸を正しく持つというのは「当たり前」のことです。しかし、このリポーターさんに限らず、大人の中にも正しく持てない人、けっこういると思いませんか。ですから、3年生の子ができないのは、ある意味「当たり前」なのかもしれません。

 かくいう私も、小学4年生の途中まで、ひどい持ち方をしていました。恥ずかしくて、見せられたものではない──そんな感じでした。

 それでも、幸い? なことに、私の小学生の頃は、まだ、「米飯給食」はありませんでした。主食はパン。箸は使わず、いつも「先割れスプーン」を使っていました。ですから、箸を正しく持てないということを、友だちに知られずにすんだわけです。

 それを直すきっかけになったのは、4年の夏休みに行われた林間学校でした。林間学校──そこでは、ご飯が出ます。当然、箸を使います。すると、私の奇妙な箸の持ち方がばれてしまうわけです。                           (つづく)

2024/06/07

学級だより №49・50

 № 49・50 2024年6月7日



「問題です。紙の端を両手でつかんで口元に寄せ、その紙の下を ふ~!と吹きます。すると、紙はどうなるでしょうか。」

 昨日、こんな問題を出しました。子どもたちの予想のほとんどは、「紙は持ち上がる。」でした。実際にやってみると――予想通り水平に持ち上がりました。

 続いて、

「では、紙の上を吹くとどうなるでしょうか。」

 これについての予想は、「紙はそのまま。」でした。

 ところが、実際にやってみると――紙は はじめの時と同じように持ち上がったのです。

 これには、子どもたちもビックリ。

「紙の上を吹いたのに、なぜ、同じように持ち上がったのか――これは、ちょっと難しいので説明はしませんが、飛行機はこの原理を使って浮き上がっています。」


 さて、この話が終わった後、

「今日は、これから紙飛行機を作りましょう。作り終わったら、教室では危ないので、体育館に行って飛ばしてみましょう。」

 これを聞いた子どもたち。一斉に「やったぁ!」

 でも、そのあと、

「でも、ぼく、作るの初めて。」「私も。」

 そういう声がチラホラ。

 そこで、

「大丈夫。難しくないです。一度作れば、次からは先生が教えなくてもできるようになります。」

「はじめにこう折ります。次はこうやって、その次はこうやって・・・・。」

 みんな、言われたとおり、ていねいに折っていきました。

 そして、ほどなく完成。

「それでは、翼に名前を書いて、体育館に行きましょう。」


 体育館では、

「この三角のところを指でつまんで、少し斜め上に向かって飛ばすのですよ。」

 自作の飛行機がきれいに飛んでいくと、みんな「ワー!」と歓声をあげて、着陸したところまでかけていきました。そして、また飛ばす。そのくり返し。

「先生、ぼくの飛行機、クルクル回転しながら飛んでいきます。」

「私のは、逆さになって飛びます。」

「ぼくのは──。」「わたしのは──。」

 みんな大喜び。夢中になって遊んでいました。

 そこで、

「紙がまだ余っているのですが、もう一つ作ってみたい人?」

 そう言うと、みんな大きな声で「ハーイ!」。

 あっと言う間に私の前に列ができました。

 作り方を覚えた子どもたち。2機目は私に頼らず自分の力だけで上手に作っていきました。

「先生、もう一つ作ってもいいですか。」


 そして――あっという間に時間終了。

「あ~、楽しかった!!」「またやりたいなぁ。」――そんな声があちこちから聞こえてきました。

 今の子たちは、そういった遊びをする機会が全くと言っていいほどありません。その意味ではかわいそうなのかもしれません。

 あまりに楽しそうだったので、いつかまたやりたいと思っています。次回は、「イカ飛行機」でも作ろうかと。


2024/06/06

学級だより №48

 № 48 2024年6月6日


 お子さんの筆箱の中身、きちんとそろっているでしょうか。

 先日、子どもたちの筆箱の中を確認しました。

 筆箱には、消しゴム・赤青鉛筆・定規・そして、5本以上の鉛筆を入れておくことになっています。それらが入っているか一つ一つ確かめてみたのですが、うれしいことにほとんどの子がきちんと入れていました。

 しかし、残念なことも。

 それは、鉛筆を削ってきていない子がいるということです。

「せっかく、たくさん鉛筆を入れてきても、削っていないのであれば意味がありません。持ってきていないのと同じです。明日からは、きちんと削ってきましょう。」

 ところで、子どもたちの提出する漢字ノートを見ていると、「ていねいに書いているな。」「よくがんばっているな。」――いつもそういうふうに思います。

 と同時に、「もったいないな。」と感じることもあります。

「もったいない。」と感じる理由――その一つが「丸まった鉛筆を使って書いている。」ということです。それも、一人や二人ではなく。

 とがった鉛筆を使えば、もっときれいに見えるのに・・・・。

 また、下じきを敷かない子もいます。1・2年生の時、使ってこなかったようですね。

「下じきを使わないと次のページに鉛筆のあと(筆跡の溝)ができてしまいます。また、書いた字が裏に移ってしまいます。そうならないようにするために下じきを使うのですよ。」

 そんな説明をしました。そう言うと「へぇ。」 

 子どもたちの中には、鉛筆が丸まったら削る、下じきを使う――そういったことをあまり意識していない子がいます。くり返し声かけをし、よいくせをつけていかないといけないな――そう感じています。

2024/06/05

学級だより №47

 № 47 2024年6月5日


 前号――お椀を持って食べる――と関連して

 先日、子どもたちにこんな質問をしました。

「食事の時はご飯茶碗やおつゆのお椀は持って食べるのがマナーですが、日本のように食器を持って食べる国はほかにあると思いますか。」

 すると、多くの子が「ある」と考えました。そして、

「中国だと思います。」「韓国です。」「ベトナムです。」――このような予想が多く出されました。子どもたちは同じアジアの国々では、日本と同じように食べると考えたようです。

 しかし、どれも不正解。

 中国では、ご飯茶碗は手に持つのはOKですが、その他はマナー違反だそうです。麺類などはレンゲ(スプーン)を使います。

 韓国でも、食器を持たないのが一般的だそうです。第一、金属製の食器を持って食べるのは熱くてできないでしょう。

 それに対して、日本のおつゆのお椀は木製です。軽い上、熱が伝わりにくいです。ですから持って食べるのに適しています。また、日本の米は粘り気があり、スプーンですくうよりも箸でつかんだ方がやりやすいといえます。

 日本の箸文化は、中国や韓国から渡ってきたものですが、上のようなことからスプーンはすたれ、茶碗やお椀は手で持つようになったのではないかと言われています。

 日本のように、食器を持って食べる国は、かなり珍しいようです。

 さて、

「家庭にある箸や茶碗はだれが使うものか決まっていますか。」

 子どもたちに聞いたところ、全員が手を挙げました。

 それに対し、

「スプーンやフォーク、お皿などもだれが使うものか決まっていますか。」

 これには、だれも手を挙げませんでした。

「スプーンやフォークはどれも同じものです。箸とは違います。」

 日本では「マイ箸・マイ茶碗」があるという家庭が一般的ですが、外国にはこのような文化はありません。

 日本独自の食事の文化(マナー)、子どもたちにはきちんと理解し、受け継いでもらいたいと思います。

2024/06/04

学級だより №46

 № 46 2024年6月4日


 今日も給食(食事)についてです。

 以前、この学級だよりでお伝えしたとおり、このクラスの子たちは、給食の配ぜんを協力して手際よく進めています。「いただきます」までにかかる時間は、どのクラスにも負けません。

 毎日、すごいなぁと感心しながらその様子を見ています。

 しかし、反対に???と思えることも・・・・。

 例えば「犬食い」。食器を持たずに食べる子、けっこういます。ひじをついて食べる子もいます。

 また、食器を持ってはいるものの、右のように(画像は略)縁に指をひっかけるようにしていて、お世辞にもかっこいいとは言えない持ち方をしている子もいます。

 さらに、右下のような(画像は略)持ち方をしている子もチラホラと。

「これなら合格!」と思える子は、ほんの数人。

 そこで

「ご飯茶わんを持ってください。きちんと持つことができますか。」

と、尋ねてみました。

 子どもたちの持っているところを見てみましたが、ほとんどの子がきちんとできていました。正しい持ち方、分かってはいるようです。

「きちんと持つことができるのですね。それでは、これからはちゃんと持って食べましょうね。」

と、伝えました。

 そして、次の日。

 このクラスの子どもたちは、素直なのでみんな言われたことをきちんとやろうとします。この日は、ほとんどの子が犬食いをせず、食器も正しく持っていました。

 とは言っても、そこはまだ3年生。途中から少しずつ乱れていく――そういう子が何人もいました。

 いつもきちんとできるよう、これからもくり返し促していかないといけないと感じました。

 ご家庭でも、お声がけいただけたらと思います。


2024/06/03

学級だより №44・45

№ 44・45 2024年6月3日


 先日のある理科の授業でのことです。

 この日は、プリントにモンシロチョウのイラストをかいたり、そこから気づいたことや思ったことを書きこんだりしました。

 授業は順調に進み、終了5分前には予定していたことが終わりました。

 そこで、

「(机の上に開いていた)教科書とノートを閉じましょう。そして、ロッカーの中にしまってきましょう。」

と、指示しました。

 すると、子どもたちは言われたとおりに動き始めたのですが――その動作の何とのんびりしたことか・・・・。

 あっちでおしゃべり、こっちでおしゃべり・・・・。中にはまだ授業中だというのに、水筒のお茶を飲み始めた子もいました。

 私は、その間、じっと子どもたちのその様子を見ていました。

 そして、全員が席に戻ってきたところで

「みなさんに言います。今、机の上に教科書やノートがあるものとします。それを手に持ったつもりでロッカーまで行きなさい。そして、その教科書やノートをロッカーに入れる格好をして、自分の席に戻ってきなさい。どのくらい時間がかかるか計ってみます。

 用意始め。」

 子どもたちは、私の表情を見て怒っていると思ったのでしょう――実際、怒っていましたが――誰一人おしゃべりをすることなく、素早く行動しました。

「全員が席に着くまでかかった時間は32秒でした。しかし、その前は3分近くかかっていました。つまり、授業の時間を2分以上も無駄にしたのです。

 2分もあれば、かなりのことができます。

 みなさんは、先生にいちいち『速くしなさい』とか『おしゃべりをやめなさい』と言われなければ、ちゃんとできないのですか。そんなことはないでしょう。

 この次からはこんなことがないようにしなさい。わかりましたか。」

 この時、子どもたちは、「しまった・・・・。」「まずかった・・・・。」といった顔をしながら私の話を聞いていました。


 そのあと、こんな質問をしました。

「みなさんは、先生に迷惑をかけていいと思いますか。それともいけないと思いますか。」

 手を挙げて答えてもらいましたが、全員「迷惑をかけていけない」の方に手を挙げていました。

 そこで、

「正解を言います。正解は、もちろん、『迷惑をかけていい』です。」

 これを聞いた子どもたち、みんなキョトンとした顔。

「みなさんは、まだ8年か9年しか生きていないでしょう。まだまだできないこと、これから覚えていかなければいけないことがたくさんあります。ですから、失敗するのは当たり前。大人に迷惑をかけるのは当たり前です。

 みなさんが先生に迷惑をかけないようなら、先生の仕事はなくなってしまいます。

 先生の仕事、取らないでくださいね。」

 すると、「クスクス」といった笑い声があちらからもこちらからも。

「でも、同じ事で迷惑をかけるようではいけません。それでは成長したとはいえませんから。

 どうせ迷惑をかけるのなら、別のことでかけるようにしましょう。」


 子どもが大人に迷惑をかけること、それは、ある意味、子どもの仕事の一つであると思います。

 また、子どもがかけたその迷惑に付き合うのも、大人の仕事の一つ。

 子どもはあっと言う間に成長します。子どもが迷惑をかけてくれるのも、長い人生の中でほんのわずかなひとときです。

 そんなふうに思っています。

 

2024/06/01

学級だより №43

№ 43 2024年5月31日


 今日は、算数についてです。

 算数では、「3・4けたのたし算とひき算」の勉強に入りました。

 左の式をご覧ください。Aは2年生の教科書に、Bは3年生の教科書に載っています。2年生では「2けたのたし算」、3年生では「3けたのたし算」を学習することになっているからです。

 一見すると、数の小さいAの方が易しいように思えるかもしれません。しかし、実際は、Bの方が簡単であると言えるのです。なぜかというと──。

 筆算の形にすると、一目瞭然です。 

 Aは、くり上がりが2回あります。それに対して、Bはくり上がりがありません。各位の数字を、それぞれたせばいいだけです。ですから、Bの方が易しいわけです。
 また、Aは「2けたのたし算」ですが、答えは3けたになります。ですから、「2けたのたし算」というよりも、むしろ、「3けたのたし算」の特殊な型と考えた方がよいのです。

 ということで、子どもたちには、下の①~④のような段階を踏んで教えていくと理解がしやすいと言えます(実際はもっと細かいのですが)。

   ①「215+364」のように、くり上がりのない問題

   ②「215+367」のように、くり上がりが1回ある問題

   ③「215+387」のように、くり上がりが2回ある問題

   ④「87+56」のように、くり上がりが2回あり、答えが3けたになる問題

「3けたのたし算・ひき算」の学習は、子どもたちにとってそれほど難しい内容ではありません。ただし、次の2つの「型」は、多少こみ入っていて、やっかいです。

 Aは、くり上がりのあるたし算です。それも、1の位と10の位、ともに、くり上がる型です。

  Bは、くり下がりのあるひき算です。くり下がりがある場合は、ふつう、となりの位から借りてきますが、この場合は、10の位が0なので、100の位から借りてくることになります。

 子ども(1の位)がお父さん・お母さん(10の位)をとびこえて、おじいさん・おばあさん(100の位)から借りるので、この型を「おじいさん型」と言うこともあります。

 このあたりの計算については、特にていねいに扱っていこうと思っています。 

学級だより №64