2024/05/30

学級だより №41・42

 № 41・42 2024年5月30日


 先週、子どもたちにこんな質問をしました。

「『情けは人のためならず』という言葉があります。聞いたことがある人はいますか?」

 それに対して、手を挙げたのは、3分の1くらいでしょうか。しかし、意味まで正確に知っている子は、一人もいませんでした。

「『情け』という言葉、難しいですね。この場合の『情け』は『親切』と同じ意味だと考えてください。

 では、この言葉、一体どういう意味でしょう。次の2つの中から選んでください。」

    A「親切にしすぎるのは、その人を甘やかすことになるのでよくない。」

    B「人に親切にすることはよいことだ。」

 子どもたちの多くは、「B」と考えました。もちろん、これが正解ですが、大人の中には、「B」ではなく「A」が正解だと思っている人、けっこういるようです。

「この言葉の本当の意味は、『人に親切にすると、それが回り回って自分も親切にしてもらえる。』です。『情けをかけるのは、甘やかすことになるから、その人のためにならない。』と思った人もいるようですが、それは間違いです。

『人に親切にすると、それが回り回って自分も親切にしてもらえる。』ということは、逆に言えば『人の悪口を言ったり、いじわるをしたりすると、最後には自分に回ってくる。』とも言えます。」

続いて、こんな話をしました。


 人間はよいことをすると、よいホルモンが出てきます。このホルモンの名前はエンドルフィンといいます。脳の中に出てきて、よりよい脳にしてくれます。

 困っている人を助ける、友だちのよいところをたくさん言う、みんなのためになること(たとえば、部屋のごみをすすんで拾うなど)をする、笑顔でふるまうなど、よいことをしていると、エンドルフィンが脳の中に出てきます。

 小さい頃、おなかがいたくなったりしたとき、家の人に手でさわっていてもらうとだんだんと良くなってくることってあったでしょう。「手当て」という言葉は、ここからきています。そして、その時もこのエンドルフィンというホルモンが脳の中に出てくるのです。簡単な病気なら、これで治るとも言われています。

 しかし、悪いことをしているとどうでしょう。友だちをいじめる、人のものをぬすむ、悪口を言う、しつこくからかうなど悪いことをすると、脳の中にノルアドレナリンという悪いホルモンが出てきます。実際に悪いことをしなくても、「意地悪してやろう」と思うするだけでも、このホルモンは出てきます。

 このノルアドレナリンは、自然界ではへびの毒と同じぐらい強いと言われています。そんな悪いものが脳の中にちょっことだけ出てくるのです。ちょっことですから、それで病気になることは、ほとんどありません。

 でも、このような悪いことを毎日毎日続けていたらどうなるでしょう。毎日毎日、少しずつ毒が出てくるのです。体に良いわけがありませんね。一度出てしまった毒はそのままですから、くり返していると勉強が覚えられなくなったり、しまいには病気になったりします。 


 これは、20年ほど前にベストセラーになった、春山茂雄氏の「脳内革命」の一部を易しい表現に直したものです。

 ところで、この本に書かれたことについては、事実ではないという人もいるようです。しかし、真偽はともかく、このような考え方――人に親切にすることは大事――をもって生活することはとても大事なことではないでしょうか。

ユダヤの格言に「他人を幸せにするのは、香水をふりかけるようなものだ。ふりかけるとき、自分にも数滴はかかる。」という言葉があるそうです。

 自分が誰かに何かしてあげた時に、その人が心から喜んでくれて、「ありがとう」と言ってくれると、自分も幸せな気分になります。また、自分が誰かのおかげで幸せになることを感じることもあるでしょう。

 子どもたちには、いつも優しい気持ちをもって友だちに接してもらいたいものだと思います。

2024/05/29

学級だより №40

 № 40 2024年5月29日


 お子さんは、いつも、何時頃、布団に入っているでしょうか?

 昔、「8時だよ、全員集合」という番組がありました。この番組のエンディングで、加藤茶が子どもたちにいつも「宿題やったか?」「歯磨けよ」などと語りかけていました。

 その頃の子どもたちの多くは、この番組が終わったら──つまり9時には──寝ることになっていたように思います。

 昔、「3年B組 金八先生」というドラマがありました。この「金八」という名前は、「放送は、金曜日の八時」というところからきているそうです。

 夜の8時台は「ゴールデンタイム」と言われ、人気番組がこの時間に集中していました。

 昔は、多くの家庭で、7時ぐらいには夕食が終わり、そして、明日の支度を終え、8時からテレビを観て寝る・・・・そんな生活をしていたのではないでしょうか。

 しかし、今は違います。遅くならざるを得ない環境になってきているのです。

 習い事があったり、親も仕事から帰ってくるのが遅かったりで、夕食が始まるのは7時半や8時というのがふつう。中にはもっと遅くからということもあるようです。

  また、子どもたちが観たいと思うテレビも、始まりが遅くなっています。9時や10時からというのが当たり前──そう言えば、「金八先生」も、途中から9時スタートに変わりました。

 お兄ちゃんお姉ちゃんといっしょに好きなテレビを観ていたら、ついつい10時に・・・・という子もいることでしょう。

 こんな中で、9時までに寝るというのは、至難の業と言えるかもしれません。

 しかし、だからといって夜更かしをしていいというわけではありません。これから成長していく子どもたちにとって早寝早起きは非常に大事なことです。

 ご家庭の生活パターンは様々ですから、こうすればいいという方法はないかもしれません。しかし、テレビを観る時間、宿題をする時間など約束事として決めておいて、それをしっかり守らせる、それができたらほめる・・・・そういうことも必要かと思います。


2024/05/28

学級だより №39

 № 39 2024年5月28日


 今日は給食について(?)です。

 このクラスの給食の支度の速さと美しさはとても素晴らしいです。

 米飯なら15分以内、パン食なら10分あまりで「いただきます」ができます。

 それは、配膳のシステムを子どもたちがしっかり理解してきちんと実行し、みな協力しあって進めているからです。

 配膳のシステム──3年2組では、ご飯をよそう、おかずをよそう、といったことはもちろん、給食当番の分の配膳はだれがやるか、といったことも細かく決められています。それらの仕事を一人一人が責任をもって行っています。

 また、主食や汁物、おかずを置く位置、箸やスプーンの向きも、マナー通りきちんとしています。

 そういったこともあり、いつも速く美しく配膳することができるのです。

 話は変わりますが──、

 3日前に行われた運動会。その種目の一つに「下学年リレー」がありましたが、その練習は給食の配膳の時間に行いました。

 そのため、選手6人分の配膳は、だれかがやってくれないといけません。これは、配膳のシステムに組み込まれているものではありません。

 では、どうしたと思いますか──そうです。みんな、すすんでやってくれたのです。

 そして──。

 選手が練習を終え、教室に戻ってきました。机の上には、用意してもらった給食が置かれています。

 選手のみんなは、食べる前にだれが配膳してくれたかを確かめ、その子に対し

「どうもありがとう。」

 用意してくれた子は、それを聞いて、ニコッ!

 自分の仕事ではなくてもすすんで手伝う、また、やってもらったことに対しきちんとお礼を言う──その一つ一つは些細なことかもしれません。しかし、私はその些細な一つ一つをきちんとしていくこと、とても大事なことであると思っています。

 子どもたち、とても素敵です。

2024/05/25

学級だより №38

 昨年の5月から始めたこの「学級経営ブログ おにぎり学級」ですが、今日で101回目の投稿となりました。

 今後とも、よろしくお願いします。

 コメントも寄せていただけるとうれしいです。


№ 38 2024年5月24日


 今日は、宿題――自主学習――についてです。

 本校では、どの学年・どのクラスでも「国語(漢字)」「算数(計算)」「音読」――この3つを毎日の宿題として出しています。

 その3つは、どれも学校で勉強したことを確実に身につけるために行うものです。

 しかし、勉強はそれだけやっていれば十分、とは言えません。

 与えられたものをこなすだけではなく、自分からすすんで課題を見つけ、それに取り組む――こういう姿勢を身につけることはとても大事なことであると思います。

 そこで、3年生以上の学年では「自主学習」にも取り組んでいます。自分で課題を決め、それをノートにまとめて提出します。

 ところで、子どもたちはどのようなことに取り組んでいるのでしょう。

 1週間ほど前のことです。

 子どもたちにこんな話をしました。

「ふだん、お友だちの自主学習(ノート)を見ることは、ほとんどありませんね。ですから、みんながどんな勉強をしているのか、全くわからないと思います。

 そこで、この時間は、自主学習のノートを机の上に広げて、どのような勉強をしているのかお互いに見合うことにしましょう。

 では、スタート。」

 子どもたちは、一斉に席を立ち、一人一人のノートを興味深そうにのぞいていきました。

「きれいに書いている。」「これ、おもしろいね。」――そんな声も聞かれました。

「どうですか、参考になること、たくさんあったと思います。そして、『これはいいな。』と思えるものは、ぜひとも真似してみてくださいね。」

 ちなみに、この日、一番多かったのは「漢字」、続いて「計算」でした。漢字と計算、両方に取り組んだ子も数人いました。

 そのほか、英語や日記、昆虫や植物を調べる――といったものもありました。


「もっと知りたい!」「なぜだろう?」と、追究する『学ぶ楽しさ』に気づくことで、生涯を通して『自分から学ぶ』姿勢が身についていきます。

(札幌市立伏見小学校『自主学習の手引き』より)

2024/05/22

学級だより №35

 № 35 2024年5月21日


 前号の続きです。

 いきなりですが、問題です。

   
①クッキーが12こあります。4つの皿に同じ数ずつ分けると、1皿分は何こになるでしょう。

    ②クッキーが12こあります。1ふくろに4こずつ入れると、何ふくろになるでしょう。


  ①も②も、求める式は「12÷4」です。そして、当然、答えはどちらも「3」です。

 しかし、操作の過程は全く違います。

 上の①では、まず、4つの皿を用意します。その中に、クッキーを1個ずつのせていきます。ちょうど、トランプを配るように。

 すると、どの皿にも3個ずつのることがわかりました。

 それに対して、②は、1ふくろにクッキーを4個入れます。そして、この操作をくり返します。

 すると、3ふくろできることがわかりました。

  このように、①は1皿分(ひとつ分)を求めるのに対し、②は何ふくろ分(いくつ分)を求めているのです。

 同じ「12÷4」でも求めるものは全く違うわけです。

 ちなみに、①の「ひとつ分を求めるわり算」のことを「等分除(とうぶんじょ)」といいます。「第一用法」ということもあります。

 また、②の「いくつ分を求めるわり算」のことを「包含除(ほうがんじょ)」といいます。「第三用法」ということもあります。

 この「等分除」や「包含除」といった言葉、子どもたちは覚える必要はありません。しかし、「ひとつ分」を求めるのか「いくつ分」を求めるのか、そういったことをいつも意識しながら問題に取り組んでもらいたいと思います。

2024/05/20

学級だより №33・34

 № 33・34 2024年5月20日


  今日は、算数についてです。

 算数では、先日まで「わり算」について勉強しました。

 ところで、3年生のこの時期のわり算(計算)は、単なる「かけ算の裏返し」です。あまりがあるわけでも、答えが2けたになるわけでもありません。ですから、計算自体は難しくありません。子どもたちも、そう感じているようです。

 しかし、わり算の意味までしっかり理解する──このことが一番大事なわけですが──となると、簡単とは言えないかもしれません。

 もう何年も前のことです。私は、大人向けに、「算数教室」のようなことをしたことがあります。そのとき、こんな問題を出してみました。


「ここに、300gのようかんと、包丁と、はかりがあります。

 これから、『300÷3』という作業をしていきます。それが、完成したと思ったところで、手を挙げてください。」

 はかりにようかんをのせると、針は300gをさしました。

 まず最初に、左のように包丁で1か所、切り込みを入れました。

「これで、『300g÷3』が完成したと思う方はいますか?」

 すると、2~3名の方が手を挙げました。しかし、ほとんどの方は「これでは、まだ不十分」という顔をしていました。

 そこで・・・・。

 もう一つ切り込みを入れました。

 すると、全員が手を挙げました。これで「300g÷3」が完成したと思われたようです。でも、果たしてこれで本当に完成したと言えるでしょうか。

「みなさんに質問します。『300g÷3』の答えは何ですか? ──100gですね。 では、はかりの針は、何gをさしていますか。100g? ─―そうではありません。包丁で切り込みを入れただけですから、300gのままですね。

 ですから、これではまだ、『300g÷3』が完成したとは言えないのです。


『300g÷3』を完成させるには、3つに切り分けたうちのひとつだけを取り出さなければいけないのです。」

 ものを分けただけでは、わり算とは言えません。わり算のことを、「分け算」と思っている方も多いようですが、わり算は分け算ではありません。

 わり算というのは、同じように分けたものの中から、「ひとつ分を取り出す」計算です。


 この場合は、リンゴを皿に同じように「分ける」だけではだめで、その中から、ひと皿分を取り出さなければいけないわけです。このあたりをきちんと理解することが大切であると考えています。

 それにしても、大人も間違えるような問題に小学3年生が取り組んでいるのですから、子どもたちは大変ですね。それでも、よくがんばっていますし、よく理解していると感心しています。

 ちなみに、わり算には「ひとつ分を取り出す」というということだけではなく、別の意味もあります。                                                      (つづく)

2024/05/17

学級だより №32

 № 32 2024年5月17日


 かなり前のことですが――学活の時間に「すごろく」をしました。とは言っても、授業ですからただのすごろくではありません。題して「すごろくトーキング」。


 やり方は、ふつうのすごろくと同じです。ただし、自分のコマがとまったところの質問に答えなければいけません。例えば「好きな食べ物は?」にとまったら、自分の好きな食べ物を友だちに教えるわけです。

 子どもたちはおしゃべりが好きです。しかし、ふだん友だちに興味のあること・苦手なこと・・・・こういったことを話すことはあまりないのではないでしょうか。

 というわけで、こんなことをしてみました。

 さて、始まると・・・・、あちらこちらから笑い声が聞こえてきました。友だちの意外な面を発見したりしたようです。もちろん、友だちの話を聞くよりも、ゲームの勝敗に夢中になる子もいましたが・・・・。このあたりは、まだまだ3年生といったところでしょうか。

 そして、15分ほどで1ゲームが終了しました。早く終わった班からは、

「先生、もう1回やっていいですか?」

  ちなみに、「先生に一言」という「お題」も作ってみました。ここにとまったら、私のところに来て何か言わなければいけません。

 多くの子がここにとまり、「一言」言いに来たのですが──お子さん、何と言ったと思いますか?

 この「すごろくトーキング」、席替えをして、まわりのメンバーが変わったら、またやろうと思っています。


2024/05/15

学級だより №28

 № 28 2024年5月14日


 今日も給食(食事)についてです。

 先日、子どもたちに何も書かれていない紙を渡し、

「ご飯、みそ汁、おかずのお皿、どの場所に置いたらいいですか。絵に表してみましょう。」

 すると──子どもたちは、みな「そんなの簡単!」とばかり、スラスラ絵をかいていきました。

 そして、答え合わせ。

 


正しくは、左の通りですが、正解者は全体の4分の3ほどでした。

 ところで、なぜご飯は左側なのでしょう。ご飯もみそ汁も食器を持って食べるものなので、手前に置いた方がよいということはわかりますが、左に置くのは一体なぜ。

 それは、日本の古来からの考え方として「左上位(左優位)」というものがあるからです。「左上右下(さじょう・うげ)」と言うそうです。律令制での左大臣と右大臣では、左大臣が格上です。また、和服の着方では、自分から見て左襟を右襟の上にし、左襟が右襟よりも前になるようにします。

 また、尾頭付きの魚を盛り付けるときも、左上位の考えに基づいて頭を左側にします。

 そして、お米は日本人にとって昔から大切なもの。お米はえらいのです。そこで、お米は位の高い左側に配置します。

 そんな話をしたところ、子どもたちからは「へぇ・・・・。」

 ところで、和食の基本は「一汁三菜」ですね。

 主食(ご飯)・汁物・主菜・副菜・副々菜の5品を配置するとき、どのようにしたらよいでしょう。

 このことも、子どもたちに聞いてみたのですが、これはさすがに難しかったようです。

 正解は、上の通りです(図は省略します)。

 ちなみに、西洋では、英語で右を「正しい」の意味がある「right」と言うように、日本とは逆に「右を上位、左を下位」とする「右上位」が基本です。外交などの国際舞台では、右上位がマナーとして定着しているそうです。


2024/05/13

学級だより №27

 № 27 2024年5月13日


 今日は給食についてです。

「給食指導」という言葉があります。給食は楽しい食事の時間ですが、同時に学習の時間でもあるのです。

 子どもたちには、給食を通して学んでもらいたいことがたくさんあります。

 その一つは、「感謝の気持ちを持つこと」「感謝の気持ちを表すこと」です。

 ずっと以前のことですが――給食の時間、「ごちそうさま」の前にこんな話をしました。

「今日の給食もとてもおいしかったですね。ところで、この給食を作ってくださった給食室の方々は、みなさんが登校する前から準備をしてくださっています。そして、こんなにおいしい給食を作ってくださっているのです。ですから、本当は『ごちそうさまでした。』『おいしかったです。』と、お礼を言わないといけませんね。でも、みなさんは給食のあとも勉強がありますから、それはできません。

 それでも、感謝の気持ちを伝えることはできます。

 どうするかというと――きれいに食べるということです。

 みなさんが返したお茶碗にご飯粒がこびりついていたらどう思われるでしょう。お皿に野菜のかけらが残っていたらどうでしょう。決してよい気持ちにはなりませんね。

 反対に、何も残らずきれいになっていたとしたら、『みんな、きちんと食べてくれたな。』と喜んでもらえると思います。

 みなさんが使った食器を見てみましょう。きれいに食べ切っていますか。野菜のかけら、残っていたりしませんか。」

 なぜ、こんな話をしたかというと――そうです、子どもたちの食べ方がお世辞にもきれいとは言えなかったからです。

 4月当初、子どもたちの食べ終わった食器を見ると、「もう少しきれいに食べてほしいな。」――そう思われるものがたくさんありました。今までそういうことを意識したことがなかったようです。

 それでも、このクラスの子どもたちはみんな素直なので、言われたことをきちんとやろうとします。

 今では、「今日もきれいに食べたね!!」「何も残っていませんね!!」

 ご家庭での食事の様子、いかがでしょうか。

2024/05/11

学級だより №26

 № 26 2024年5月10日


 今日は漢字についてです。

「“木”という字がありますね。この一画目の書き始めは、右の図の1~3
のどれでしょうか。」

 先日の漢字練習の時間、子どもたちにそんな質問をしてみました。

 子どもたちの考えは―― 圧倒的に多かったのは、「2」でした。つづいて「3」が数人。「1」だという子は一人もいませんでした。

 確かに、「1」は上過ぎる感じがします。また、「3」は逆にかなり下という感じです。

「2」が一番適当といったところでしょうか。

 子どもたちは、そう考えたようです。

 予想が出そろったところで、1~3まで書いてみました。


「1」は論外ですが、「2」もバランスが悪いです。

 正解は、「3」。一画目の横線は、中央にかなり近いのです。


「木」と似ている「大」という字の一画目も「3」から書き始めると形のよい字になります。

「字がきれいに書けるかどうか、それは、一画目で決まります。一画目の位置が間違っていて、きれいな字になることはありません。

 出だしはどこからなのか、それをよく見て書きましょう。」

 そんな話をしました。

 子どもたちに字を書かせるとき、大人は「よく見て書きましょう。」と言ったりします。そして、言われた子どもも実はよく見ているのです。しかし、どこをどのように見るのかがわかっていないため、せっかくよく見てもきれいな字にならない──そんなことになりがちです。

 出だしさえよく見れば、きれいな字になる──というわけではありませんが、大きなポイントの一つであると思います。


2024/05/09

学級だより №25

 № 25 2024年5月9日


 今日は、算数についてです。

 算数では、先週まで「かけ算」の学習をしました。

 ここでは、2年生で習った九九をもとにして

        ① 7×4 = 7×3 + 7       7×4 = 7×5 - 7

        ② 9×7 = 3×7 + 6×7    9×7 = 5×7 + 4×7

        ③ 9×7 = 9×3 + 9×4    9×7 = 9×2 + 9×5

といったこと、また、これらのことをもとにして、「12×7」など、九九を超える数のかけ算の答えの求め方を考えたりしました。

 その授業での一コマです。

「みなさんは、2年生でかけ算を習ったときに『かける数』や『かけられる数』といった言葉を習いましたね。

 では、問題です。『2×3』の場合、『かける数』は『2』ですか。それとも『3』ですか。」

 すると、自信満々に手を挙げた子が何人かいましたが、「どっちだったかなぁ。」と悩んでいる子も。そこで、

「では、正直に教えてくださいね。自信がないという人は手を挙げましょう。」

 すると、3分の2ほどの子が手を挙げました。

「『かける数』『かけられる数』――似たような言葉でわかりにくいです。でも、これは『かけっこ』に置き換えるといいのです。

        2 × 3

『3』を見てください。『3』は『2』を追いかけていますね。

『おいかける』――だから、『3』は『かける数』です。」

 こんな説明をすると、子どもたちから「なるほど」。

 つづいて

「『2』は『3』に追いかけられていますね。『おいかけられる』――だから『2』は『かけられる数』です。こんなふうに覚えてみたらどうですか。」

 すると、子どもたちから「おもしろい!」「よくわかった!」


2024/05/08

学級だより №23・24

 № 23・24 2024年5月8日


 先日の漢字練習の時間に、「右」と「左」の書き順を確認しました。

 子どもたちは、みんな「そんなの簡単、簡単」――そんな顔をしていました。しかし、実際、確かめてみると、正しく書けたのは3分の2ほどでした。

「右」は「ノ」から、そして、「左」は「一」から書き始めます。

 そこで――、

「では、なぜ『右』は『ノ』から、『左』は『一』からだと思いますか。」

 すると――「そんなこと、考えたこともなかった」――みんな、そのような顔をしました。 

「右」と「左」、よく見ると「はらい」と「横棒(横画)」の長さが違います。「右」は横画が長く、「左」は 左はらいが長くなっています。

また、「右」は、はらいの先と横画の左端の距離が短いです。


   ですから、「右」という字は、はらいをした流れで横画を書くようにするとスムーズに書くことができます。

 反対に、「左」は、横画の右端とはらいの書き始めの距離が短いので、1画目を横画にすると形がよくなるのです。

 日本では、1958年(昭和33年)に文部省(当時)から「筆順指導の手びき」が示されました。戦後の一時期、国語教育の中では、書き順など全く顧みられなかったことから、指導の手引きの要望があったそうです。

   文部省でこの手引きを作る際、当初、「右」と「左」は同じ書き順にするという話だったそうです。しかし、文部省主任教科書調査官を務めた江守賢治氏がそれに強く反対。「右」と「左」の書き順を違えるように強く主張し、最終的に氏の意見が採用されました。

 江守氏の反対の理由は、「短いものを書いてから長いものを書いた方が筆の運びがスムーズだから」というものです。そして、そのことがより美しい字を書くことにつながります。

 この話を子どもたちにしたところ、一斉に「なるほど!」

 そのあと、このような問題を出してみました。

「みなさんは、5年生になると、『布』という字を習います。この字の1画目は『ノ』でしょうか。それとも『ー』でしょうか。」

という問題を出しました。

「布」は、「右」と同じく横画が長くなっています。ですから、1画目をはらいにすると形の整った字が書きやすくなります。

 子どもたちも、そのことに気づいたようです。全員正解!

 では、やはり5年生で習う「在」はどうでしょう。これは、「左」と同じく左はらいが長くなっています。ですから、横画から書くと整った字が書きやすくなります。

 この問題も正解です。


横画が長く、左はらいが短い字では、左はらいを先に書く→(例)「右」「有」など

横画が短く、左はらいが長い字では、横画を先に書く    →(例)「左」「友」など


  子どもたちには、これからも書き順をきちんと覚え、美しい字を書いてもらいたいと思います。


2024/05/07

学級だより №22

 № 22 2024年5月7日


 ゴールデンウィークが終わってしまいました。みなさま、いかがお過ごしでしたでしょうか。

 さて、子どもたちは進級して、はや1か月。毎日、けじめのある、きちんとした生活を送っています。

 ところで――。

 お子さんは、毎日の宿題、見せているでしょうか。

 学級だより№15に「漢字の宿題で、間違えた字を書いて提出することがある」という話を載せましたが、これは、算数にも言えます。

 残念ながら、毎回何人かの子が、どこかしら間違えたまま提出しているのです。

 そこで、子どもたちに「やり終えた宿題をおうちの人に見せていない人?」と尋ねたところ、数人の子がバツの悪そうな顔をしながら手を挙げました。

「おうちの人が『宿題を見せなさい。』と言わないのですか? そんなはずはないでしょう。

 おうちの人というのは、あなたたちの勉強のこと、すごく大事に考えているのです。宿題を見れば、今、学校でどんな勉強をしているか、大体わかります。そして、きちんと理解しているかどうかということもわかります。

 宿題を見せないなんて、おうちの人に対して失礼です。

 学校で習うことは、初めてのことばかりですから、間違えて当然です。これからも、いっぱい間違え、そして、勉強の力をつけていきましょう。

 しかし、宿題は別です。

 間違えたままにしてしまったら、せっかく時間をかけて宿題をやったのに、何もなりません。それに、学校は新しいことを勉強をしていくところですから、宿題の間違いを直している時間などありません。

 宿題は、最終的に100点満点にして提出しないと意味がないのです。

 おうちの人には、算数と漢字スキルの○つけをお願いしています。

 宿題を見せていないという人、今日からは、きちんと見せるようにしなさい。」


2024/05/04

学級だより №16

 № 16 2024年4月30日


              ○○ ○○さん、お誕生日おめでとう!!


□□さん~○○さんとは、1・2・3年もいっしょのクラスだね。わたしは、いっしょにおにごっこをするの、楽しいよ。また、いっしょにおにごっこしようね。

△△さん~おたん生日おめでとう。給食の時に、いつもみんなをわらわせておもしろいよ。やさしいし、字もきれいですてきだね。

▽ さん~おたん生日おめでとう。3年間れんぞくで同じクラスだね。いつも笑顔でいいね。これからも、笑顔でいてね。

▲▲さん~おたん生日、9才おめでとう。いつも、あいさつの声が大きくてすてきだね。3年生ではじめていっしょのクラスになるから、これからよろしくね。

◇◇さん~たん生日おめでとう。○○さんは、かん字もたくさんおぼえていて、百人一首も全部覚えているよね。いつも、みんなを明るくしてくれる、おもしろい人でいいね。

◆◆さん~おたん生日おめでとう。○○さんのいいところは、いっぱいあるよ。友だち思いでやさしいよね。これからもよろしくね。

●●さん~おたん生日おめでとう。いつもおもしろくて明るい○○さんは、いつもまわりを楽しくしてくれるよ。これからもよろしく。

               (以下、省略)


私のクラスでは、誕生日の数日前に子どもたちに下のようなカードを渡し、その子にメッセージを書くようにしています。そして、誕生日当日の朝、みんなで「HappyBirthday!」を歌い、そのカードを贈ります。

カードをもらった子やその保護者が喜んでくれるのはもちろんのこと、わが子がその友だちに対してどのように思っているかもわかると、好評です。






2024/05/02

学級だより №15

 № 15 2024年4月26日


 今日は漢字についてです。

 先日、子どもたちにこんな質問をしてみました。

「みんな、毎日の漢字の宿題、よくがんばっていますね。ところで、最近、おうちの人からこの漢字の宿題でほめられたという人はいますか。」

 すると、一斉に手が挙がりました。

「うちのママが、『ていねいに書いているね。』と言ってくれました。」

「お母さんが、『3年生になってから字が上手になったね。』と言っていました。」

 みな、ニコニコしながら答えていました。

 先日の「連絡帳の話(№11・12)」と重なりますが、おうちの人の励ましは、子どもたちにとって何よりのエネルギーになっているようです。

 いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

 ところで――子どもたちの提出した宿題を見ると、そのほとんどは、「きちんと見てもらったんだな。」と思えるものばかりですが、中には???と思えるものもあったりします。

 お子さんは、やり終えた宿題を見せているでしょうか。

 
上は、子どもたちのノートや漢字スキルに書かれていたもの。どれも間違えています。「せっかく時間をかけて宿題をやっても、間違いを覚えてしまったら何もなりません。

 算数もそうです。おうちの人にきちんと見てもらいましょう。」

 そう話しました。

 漢字ノートの○つけは担任がしますが、確認をした証として押印またはサインをお願いします――漢字スキルが宿題になったときは、○つけをお願いします。

 そして、できれば「今日もよくがんばったね。」といったおほめの言葉を添えて。

 毎日のお仕事や家事等でお忙しいとは思いますが、今後ともご協力、よろしくお願いいたします。


学級だより №64